勝者のメンタリティとは? 名将・一流アスリートの言葉で読み解く勝者のメンタリティ

今シーズン終了後にプレミアリーグのリバプールから米国のLAギャラクシーに移籍することを発表したスティーブン・ジェラード選手。

彼は移籍決定後のインタビューで「勝者のメンタリティをクラブに伝える」と語っていました。

たびたび遭遇するこの「勝者のメンタリティ」という言葉。具体的にはどんな考え方なのでしょう。名将や一流アスリートの言葉を交えて具体的に紹介していきます。

「心配すべきなのは我々じゃない。相手チームだ」ネルシーニョ監督

ネルシーニョ監督

サッカーが好きな人でネルシーニョ監督を知らない人はいないはず。2011年にはJ2から昇格したばかりの柏レイソルをJ1優勝に導きました。日本代表監督候補にも何度か名前が挙がったことのある名将です。

2011年にJ1優勝したわけですが、柏レイソルの北嶋秀朗選手が優勝を振り返えりながら「ネルシーニョ監督に勝者のメンタリティを植え付けられた」と語り、次のエピソードを紹介していました。

ある試合で前半を2-0で折り返したんです。

ハーフタイムにロッカールームで「勝っているけど2-0は危ないスコアとも言うからな。後半も気を抜かずに行こうぜ!」ってポジティブな感じで選手同士で話していたんですけど、それを聞いたネルシーニョ監督が『それは違う!』と。

『我々は2点リードしているんだ。心配しなきゃいけないのは相手チームであって我々じゃない。』と怒られました。だから後半開始前の円陣では「2-0だ。危なくねーぞ!!」と言って試合に臨んだんです。

「2点リード。それは勝利を手にしたことを意味する」エメ・ジャケ監督

エメ・ジャケ監督

上のネルシーニョ監督のエピソードでも出てきたように日本のサッカー界では度々「2-0は危ないスコア」と言われています。

2-0から2-1に追いつかれた場合、負けている方は死に物狂いで追加点を狙い、勝っている方は亀のように守りに入るため、同点そして逆転へと試合が進むケースがあるからだと推測されます。

「2-0は危ないスコア」。この認識についてNHK特番で日本のインタビュアーがフランスをW杯初優勝に導いた名将エメ・ジャケ監督に質問し、次のように答えていました。

2-0が危ないスコア?それは間違っている。前半を2-0で折り返したのなら、それは勝利を手にしたことを意味する。

データを見れば明らかなように、サッカーにおいて2点のリードは圧倒的な差です。もちろん同点、逆転されるケースもあるものの、それはレアケース。平常心で普通に戦えば勝利を手にするのは当たり前なこと。

「2-0は危ないスコア」と思い込み、平常心を失うと隙が生まれるわけですね。

「器が大きければプレッシャーを感じることがない」羽生善治

羽生善治

平常心の最大の敵はプレッシャーですが、稀代の天才棋士・羽生善治さんは次のような発言をしています。

「プレッシャーはその人の持っている器に対してかかるものだ。器が大きければプレッシャーを感じることがないはずだ」と自分に言い聞かせています。

プレッシャーに押しつぶされない強い心こそが羽生善治さんの圧倒的な強さの秘訣なのかもしれません。また「自分に言い聞かせています」というのもポイントですね。

「相手をリスペクトし過ぎない。舐めてかかる。」白鵬翔

白鵬

次に紹介するのは第69代横綱の白鵬さん。史上最多優勝を記録した大横綱がNHKの密着ドキュメント番組で語ったのは、日本人の多くが子供の頃から聞かされていた教えと真逆の内容でした。

相手をリスペクトし過ぎない。『相手が自分より力がある』と思い込むと、緊張して自分の力が発揮出来なくなる。なめてかかることでリラックスすることができ、自分の力を100%出せる。

一般的には「たとえ格下相手でも舐めちゃいけない」と教わると思います。しかし白鵬さんは全く逆のことを言っています。これは一体どういうことなのか?次のドログバ選手の言葉が説明になるかもしれません。

「奇跡を信じるのは弱者だけ」ディディエ・ドログバ

didier-drogba

ドログバ選手はイングランドのプレミアリーグで得点王に2度輝くなど数々の栄誉を手にしたストライカー。内戦が続くコートジボワールにおいて、和平交渉を進めるための特別委員の1人として政府に選出されるなど、政治にも影響力を持つ国家の英雄です。

そんな彼が反戦デモをする民衆に対して語ったのが次の言葉です。

奇跡を信じるのは弱者だけだ。もし君たちが真の強者なら奇跡とは脅威であるはずだ。

注目なのは反戦デモでの言葉だということ。つまり弱い立場にいる仲間を鼓舞するための言葉です。状況は悲観的であっても奇跡なんて待たずに自分たちで平和を勝ち取ろう!という趣旨の言葉ですね。

上の例をなぞるとしたら、2点差で負けていたとしても「いや必ず逆転できる」と信じて疑わないのが勝者のメンタリティ、2点リードしているにもかかわらず「2-0は危険なスコア」とビクビクしているのは間違いなく弱者のメンタリティですよね。そりゃ逆転されますよ。

「準決勝という舞台は当たり前。だから勝てる。」宮間あや

宮間あや

TBSの『情熱大陸』でなてしこジャパンのエース大儀見選手が、キャプテンの宮間あや選手が2015年ワールドカップの準決勝の試合直前のミーティングで選手たち全員に向かって話した名言を紹介していました。

この舞台は特別じゃない。なぜなら今までみんな毎日特別なことをやってきたから。この準決勝っていう舞台も別に特別じゃなくて当たり前なんだ。だから勝てる。

宮間選手はW杯決勝を前にして「あと一歩でスタート地点に立てる」とも語っています。準決勝なんて当たり前だし、優勝してスタート地点だという意識の高さ。驚きますね。

「必然ですね。」五郎丸歩

五郎丸歩 ラグビー 名言

ラグビー日本代表の五郎丸歩選手の言葉を紹介します。

(南アフリカ戦の勝利を含めたラグビー日本代表の躍進は)必然ですね。ラグビーに奇跡はないんで。4年前から歴史を変えるためホントに世界一きつい練習をしてきたんです。

「ラグビー史に残るジャイアントキリング」「世紀の番狂わせ」と評された勝利ですが、殊勲の五郎丸選手は「必然」と言い切りました。その自信は圧倒的な練習にあるそうです。

(ゴールキックを外しても)なんとも思わないですね。結果というのはもうしょうがないんですよ。だからもう「俺はやれることはやりました。結果はもう知りません」みたいなスタンスです。「絶対に入れてやる」とかそんなのは絶対にないです。いつも通りのことをやるだけです。

↑追記です。こちらの言葉はNHKにて2019年9月に放送された『五郎丸歩が語るラグビーワールドカップ▽名勝負 世紀の番狂わせ 日本対南アフリカ戦』での言葉です。

結論。そして僕らが学べること。

勝者のメンタリティとは「普段通りの力を発揮して当然のように勝利を手にするという思考」だと理解できます。

ポイントをまとめると以下のような感じですかね。

  • 焦らない
  • 気負うことはせず
  • リラックス
  • 普段通りの力を発揮する
  • 結果は付いてくる

そんな思考を身に着けるためには、日々の圧倒的な努力が必要ということです。五郎丸選手の言う通りです。

小手先のイメージトレーニングで出来るようなものではありません。むしろ小手先テクニックでなんとかしようという発想は逆効果。勝者のメンタリティからかけ離れています。

ぼくの話で恐縮ですが、ビジネス提案(営業)をする時に「これを断る人はバカなんじゃないか?」「この提案にNOと言うなんてマジかよ。可哀想だなぁ。僕の説明が下手でスイマセン」って思えるくらいの圧倒的な提案や商品作りをしよう、と目標にしています(言葉汚くてスイマセン)。

毎回そこまでの自信や確信を持てるわけではありませんが、そういう気持ちで提案ができるビジネス案件は営業がとても楽です。そして遅かれ早かれ100%上手くいきます。「成功して当然だよな」。そんな勝者のメンタリティを持てる領域を少しずつ増やしていきたいですね。

追記:勝者のメンタリティを身に着ける方法

↑上でそれっぽく記事をまとめてしまいましたが、勝者のメンタリティを身に着ける方法についてのヒントを見聞きしたのでメモがてら追記しておきます。

「自分の限界をちょっと超えていく。その繰り返し」イチロー

イチロー 引退会見

2019年3月21日、イチロー選手が引退しました。引退記者会見で「生き様で伝わっていたら嬉しいなと思うことはありますか?」との質問への回答を貼っておきます。

ぼくには「勝者のメンタリティを身につけるには?」の回答にも聞こえました。

生き様というのは僕にはよくわからないですけど、生き方という風に考えれば、先ほども話したように、人より頑張ることなんてとてもできない。あくまでも秤(はかり)は自分の中にある。

それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく。するといつの日か「こんな自分になっているんだ」という状態になって。だから少しずつの積み重ねしか、それでしか自分を超えていけないと思うんですよね。

一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので。地道に進むしかない。進むだけではないですね。後退もしながら、あるときは後退しかしない時期もあるが、でも自分がやると決めたことを信じてやっていく。

それが正解とは限らない。間違ったことを続けてしまっていることもある。でもそうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えない。

「中途半端に練習している人が誰一人いなくなりました」田中史明

田中史朗

日本で開催され大いに盛り上がった2019年ラグビーワールドカップ。日本はアジア初のベスト8という結果を残したわけですが、大会後に『スポーツ内閣』というテレビ番組にて田中史朗選手が前回大会からの選手の変化を語っていました。

2015年(ワールドカップ)があったからこそ、アレを見た人たちが『日本代表になりたい』『もっと上を目指したい』という思いでやっているので、自分からやるようになったんですよね。中途半端に練習している人が誰一人いなくなりました。全然違います。

これは元キャプテンの廣瀬俊朗さんから「フミ丸くなった?」との質問に対する答えです。

チームで一番の嫌われ役で、練習中しょっちゅうカミナリを落としていたという田中選手でしたが、2015年大会を切っ掛けにして練習中にキレることがなくなったそうです。

2015年大会後にエディ・ジョーンズHCからピーター ジョセフ HCに変わり、さらにキツイ練習を積んできたそうです。選手たちは「地獄」と形容しています。

そんな地獄の練習を耐えらえたのは、「この練習をすれば確実に強くなる」と信じれたから。2015年に結果を残し、勝者のメンタリティを身に着けたおかげなのでしょう。

それでは今回は以上です。

長文お付き合いありがとうございました。よい一日を。

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