どうも、映画館に行き放題サービス「PREMY」に加入してから映画を観まくっているタカタロウです。
映画『37セカンズ』
素晴らしい。本当に素晴らしい映画。「好きな映画はランボー怒りの脱出です」と答えるぼくですらわかる。これは傑作。
ここ2ヶ月で30作ほど映画館で観てるけど、もっとも周囲で涙をすする音が聞こえた作品。エンドロール終了まで誰ひとりとして席を立たなかった作品ははじめて。 pic.twitter.com/i5tmE8rR7D
— タカタロウ (@189_0000) February 10, 2020
昨日、こんなツイートをしてしまいました。
はい、ぼくは過去2か月で30作は映画館でみているわけですが、『37セカンズ』という映画がすばらしかったので、はじめてブログに映画の感想なるものを書いてみます。
あの、ネタバレしまくりです。まだ観ていない人はぜひぜひ映画館へ。
もくじ
いかに『37セカンズ』が素晴らしいか【ネタバレなし】
あの、客観的な事実を書きますね。
Filmarksの評価が4.0と非常に高い
映画レビューアプリで日本一使われているっぽい「Filmarks」を愛用しているんですが、評価が4.0と非常に高かったです。Filmarksを知らない人は意味不明だと思うんですが、まぁ4.0というのはかなり高得点であり「間違いない数字」なんですね。
かくいうぼくもFilmarksの評価をみて「37セカンズ」を観に行きました。
かなり熱量が高いレビュー。しかも少し前に観て素晴らしかった「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」と並べて評する人が多く、ほぼ「37セカンズ」のほうが評価が上というね。
感涙率ナンバー1
ええ、ぼくも泣いてしまいました。しかし特筆すべきは映画館での感涙率。
こんなに周囲から涙をすする音が聞こえた作品はありません。エンドロール終了まで誰ひとりとして席を立たなかった作品ははじめてかも。
ベルリン映画祭史上初の2冠
以下は「37セカンズ」公式サイトより引用。
世界三大映画祭のひとつ「第69回ベルリン国際映画祭」パノラマ部門でワールドプレミア上映され、観客が熱狂。「パノラマ観客賞」と「国際アートシネマ連盟(CICAE)賞」を映画祭史上初のW受賞という快挙を遂げる。
よくわかんないっすけど。日本公開前に海外で評価されているようです。
「ムービーウォッチメン」でリクエスト過去最大クラス
ぼくはTBSラジオ「アフター6ジャンクション」という番組が好きなんです。その番組はライムスター宇多丸さんによる映画批評のコーナー(ムービーウォッチメン)がありまして、リスナーから宇多丸さんに批評してほしい映画をリクエストができます。
で、そのリクエスト総数が「過去最高クラス」だったそうです。映画好きからの熱量がすごい作品ってことですね。宇多丸さんの「37セカンズ」評もとても良いものでした!
『37セカンズ』の予告動画とあらすじ【ネタバレなし】
注意。以下は予告動画と公式サイトに掲載されているあらすじなのでネタバレにはならない範囲ですが、ぼくは簡単なあらすじすら知らない状態で観たほうがいいと思っている派です。
予告編
あらすじ
ユマ23歳。職業「ゴーストライター」。
生まれた時に、たった37秒息をしていなかったことで、身体に障害を抱えてしまった主人公・貴田ユマ。親友の漫画家のゴーストライターとして、ひっそりと社会に存在している。そんな彼女と共に暮らす過保護な母は、ユマの世話をすることが唯一の生きがい。
毎日が息苦しく感じ始めたある日。独り立ちをしたいと思う一心で、自作の漫画を出版社に持ち込むが、女性編集長に「人生経験が少ない作家に、いい作品は描けない」と一蹴されてしまう。その瞬間、ユマの中で秘めていた何かが動き始める。これまでの自分の世界から脱するため、夢と直感だけを信じて、道を切り開いていくユマ。その先で彼女を待ち受けていたものとは…
【ネタバレあり】映画を観た人とワイワイ語りたいポイント
まとまった文章で感想を書こうと思うと3日はかかりそうなので、映画を観た人とワイワイ語りたいポイントを挙げていきます。以下ネタバレしまくりです。
1、冒頭のヌードには度肝を抜かれた
このヌードで傑作の予感がしたけど的中しましたね。お風呂で母に着替えを手伝ってもらい、一緒に湯舟につかるシーン。なんとも生々しさがありました。
ぼくは事前知識ゼロで観たので「ほうほう障がい者のストーリーか」と理解した直後のヌードシーンに固まりました。日本映画ではなかなかないですし、「これいいのか?」とわずかに引いてしまった部分もありました。
ただ、ここで観客が抱く戸惑いみたいな心理が、後々のストーリーと結びつき意味あるものになるんですからスゴイです。
2、俳優陣が素晴らしかった
ユマを演じた佳山明さんを筆頭に、皆さん素晴らしかった。佳山さん自身がユマと同じ脳性麻痺らしく、演技に説得力があった。たとえばユマを売り出し中の人気アイドルが演じていたら駄作になってたはず。
3、ユマと母のケンカシーン、とても痛かった
大切なひとに、絶対に言ってはいけない言葉を手加減なく投げつけあうシーン。大なり小なり、誰もが経験したことあるんじゃないかな。いやー、胸を締めつけられるシーンだった。
4、水商売の運転手兼介護士トシ(大東くん)、ただただ良い奴なのね
いや、良い奴でよかったし安心したんだけど、彼は彼でそんな仕事をしている理由・ストーリーがあるはずで、そこをチラッとでも伝えてくれたらよかったかも
これ書いたあとに、自分が障害者向けの風俗について見下すような評価をしていたことに気づきました。尊い仕事です。「そんな仕事」じゃない。失礼しました。僕の中で差別的な認識があったことを反省しています。
5、この映画最大のツッコミどころ、パスポートどうしたん?
そもそもパスポートを持っているとは思えないし、持っていたとしても家出時に持参するはずないし、パスポートを新規発行するのに1週間はかかりますよ
6、妹ユカに共感できなかった
最後、双子の妹ユカが『障害者だと聞いてたから怖くて会えなかった』に共感できなかった。
障害者だから会わない、怖いとかってあるの?ぼくには1ミリもないんだけど。え、普通は怖がるものなの?って思った。
海外で働くくらい勇気がある子なのに、そこまで怖いものかな。でも母親とも会っていないらしいので、もろもろ怖さはあるのかな。
ユマを演じた佳山明さんには実際にタイで小学校教師として働く双子の姉がいるそうです。公式サイトのプロダクションノートに書いてありました。
7、ユマの母と父はなぜ離婚したのだろう?
いや作中に説明する必要はないけど想像しちゃう。
父親は自由と平和を愛するひとで、障害をもったユマにも愛情があったんだよね。双子の妹ユカも父親を好きっぽい。つまり父親は良い人っぽい。
それなのに父親からユマに送られた絵葉書を母は隠していたわけで、母と父の離婚にはかなりの原因があるはず。
『人間は良い人と悪い人に分類できるものではない。誰しも良い側面も悪い側面もあるものだし、自分がオープンマインドを持ってれば周りには良い人ばかりに写るのでは。』
というような話をしていました。なるほど。
8、風俗勤務のマイさん、タイに来てましたよね?
ユマと大東くんの様子を遠くから見守ってるシーンあった気がするのだけど見間違い?
なんで遠くから見てるの?ちょっと意味不明。仲良いんだから一緒に行けばいいじゃんって思った。
2人がいい感じだし、付き合わせたいとか?邪魔しないためとか?
9、イオンシネマ多摩センターが登場してビビった
この作品を観るためにはじめてイオンシネマ多摩センターに行ったけど、ユマがイケメン男に映画の約束をすっぽかされたシーン、イオンシネマ多摩センターだった。
特徴的な内装だからすぐ気づいた。映画終わりにスタッフさんに聞いたら「間違いなくここです!」と。
なんかラッキー!
10、身体障害の当事者の感想がポジティブで安心した
障がい者やその家族のかたの感想をポツポツ見かけるけど、どれもポジティブな感想で安心した!まぁぼくの父も脳梗塞やっていまは障害者施設に通っていたりするんですけどね。
素晴らしい映画だった!
まとめ
映画はたくさん観ていますがはじめてブログに映画レビューを書いてしまいました。それだけ心を掴まれた作品ってことですね。
ではでは、今回も最後までお付き合いありがとうございました。
よい1日を!
結果、ぼくははじめて5つ星を付けました。