もくじ
スパルタンレースとは?
ぼくはスパルタンレース(SPARTAN RACE)を「自衛隊の訓練みたいな障害物レース」とか「ランボー怒りの脱出みたいな障害物レース」と説明しています。
まぁ動画を観てもらうのが早いと思います。日本大会の公式紹介ビデオです。
どうっすか?「自衛隊の訓練みたいな障害物レース」というのもあながち間違いじゃないでしょ。
スパルタンレースは2004年に設立された狂ってるイベント「デス・レース(Death Race)」のスピンオフとして2012年に始まった大会です。
「デス・レース」のヤバさは変態アスリート界隈では有名でして、参加者には事前にコースを伝えない、石を詰めたリュックを背負って山を走らされる、雪山で薪を何時間も割らされる、凍った池に飛び込んだ後に記憶力テストをさせられる、有刺鉄線が張り巡らされた原野を匍匐前進ですすむ、雨の中で自力で火おこしをする・・・そんなのが70時間以上つづく狂った大会です。
ガチの変態アスリート向けの「デス・レース」のテイストを残しつつ、一般アスリート向けにパッケージし直したのがスパルタンレースというわけです。
そうそう、TBSで放送されている『SASUKE(サスケ)』ってあるけど、その版権をアメリカのテレビ局NBCが買って『American Ninja Warrior』という番組を放送してんですね。そのプロデューサーを迎え入れてるみたい。
テレビ局のパッケージング能力って極めて高いんですよね。キワモノ変態イベントが、入門者でも参加できるイケてる障害物レースになりました。
2013年にリーボックがタイトルスポンサーになり、今では各国でフランチャイズ展開。2017年5月には日本ではじめて大会が開催されました。アスリート界隈で存在が知られるようになっています。
ぼくがスパルタンレースに参加した理由
上でかなり知ってる風にスパルタンレースを説明してみたものの、ぼくは少し前まで「スパルタンレース?名前は聞いたことあるなぁ」程度でしたからね(上のは英語版Wikipediaなどを参考にして書きました)。
ぼくがスパルタンレースに参加した切っ掛けは、知り合いアスリートの近況報告でした。
トライアスロン珠洲2017で民泊してくれた方なんですが、今年参加したトライアスロン大会で表彰台、スパルタンレースでも表彰台らしいんすよ。
あのー、トライアスロン珠洲2017が「はじめてのトライアスロン」だったんですよ?それから1年で表彰台ってもう天才じゃないですか。
そこまで進化されるともはや競争心みたいなもんはわかないんだけど、まぁ大いに刺激をうけたわけですよ。
そんで、スパルタンレースをオススメしてもらって興味をもったんだけど、次の日本大会が9月。これは待てないなぁーって思ってたところ、どうも世界各国で毎月のように大会が開催されているみたい。そんで7月のマレーシア大会に申し込みました。
ぼくは海外のスポーツ大会に参加したことはありません。だから尚更ワクワク感が増しましたね。うん、もし9月の日本大会しかなかったら参加を見送っていたかもしれません。「海外のスポーツ大会+スパルタンレース」ってのに強烈に惹かれたわけです。合わせ技いっぽん。
スパルタンレースinマレーシア2018大会をレビュー
今回は観光もかねて訪問してたので、大会4日前にはマレーシアに入国していました。あちこち移動しまくってたんだけど大会前日にクアラルンプールに到着。前日に大会会場を下見にいきました。
前日訪問したらキッズ大会やってた
マレーシア大会は7月28日と29日の2日間開催されました。ぼくは前日に大会本部を視察。
大会本部は「NEXUS INTERNATIONAL SCHOOL」。この学校の裏にある巨大な森林公園にスパルタンレースのコースがあります。
ぼくが訪問した時はスパルタンキッズが競技中でした。
EDM的なノリのよいBGMが流れるなか、子どもたちが元気に走っています。
放水車の雨がスパルタンキッズたちを襲う。
キッズスパルタンのゴール直前の障害物。サポートばっちり。
大会当日。スタートまでにすること。
さてさて、大会当日になりました。
当日に用意すべき書類は「誓約書」と「受付バーコード」です。これ見せればエントリー会場に入れます。
ちなみに日本大会だと事前に「ビブ番号」と「写真付身分証明証」も持参しなきゃいけないみたいなんだけど、マレーシア大会では不要でした。
学校の体育館がエントリー会場でした。
ここでゼッケンやらタイム測定バンドやらを貰います。
荷物預け所です。更衣室で着替えたら荷物を預けましょう。
競技会場のあるグラウンドにきたら人の山。
バッキバキに鍛え上げてる人がゴロゴロいるんだけど、ガリガリの人や高齢者や巨漢の人もチラホラ。
練習施設もあるので事前練習するのもいいと思います。
スパルタンレースには「キッズ(5~12歳)、Sprint、Super、Beast」の4種類のレースがあります。
Sprintは距離5km以上&障害物20以上。Superは距離13km以上&障害物25以上。Beastは距離20km以上&障害物30以上。
ぼくはSprintにエントリー。今回のマレーシア大会は距離6.4kmで障害物20個でした。
上で「4種類のレースがある」と書いたけど、それは一般向けの話。厳密に言うと、「SPARTAN ULTRA」「HURRICANE HEAT」「12 HOUR HURRICANE HEAT」という耐久レースも存在する。だけどそれらは変態アスリート向け。Beastを完走して物足りないと感じた人は検討してみてください。
競技スタート!!
残念ながら競技中の写真はありません。ブログやってる身としてはぜひとも写真をたくさん撮りたかったんだけど、泥水に潜ったり有刺鉄線の下を匍匐前進したりするような競技だから無理でした(個人撮影は禁止されてないですよ。自主規制ね)。
だからスタート前の待ち時間に撮影した写真と、他の競技者が撮った写真や映像から引用して紹介しますね。
スタート地点では音楽がガンガン流れていて、マイクを持った大会スタッフがみんなを鼓舞する煽りスピーチをしてました。
さてスタート!!競技は同時スタートではなくグループ分けしてスタート時間をずらすウェーブ制になっています。ぼくがエントリーしたSprintだけで1316人も参加してんですから当然ですね。
スパルタンレースはどうしても障害物が目立つんだけど、競技のほとんどをこうした未舗装の原野やジャングルを走るわけです。
ぼくはトレイルランニングを経験したことがないんで、結構ビビりながら走っていました。何度か足を捻りそうになったし。
こういった壁が何個もあって道を妨げます。よじ登ったり、下をくぐったり、穴を通り抜けたりして先へ。
けっこう序盤に泥の池が登場。
なかなか深いです。
上の写真、池の中に黒い障害物あるじゃないですか。これ乗り越えるんじゃなく潜って進みます。
泥の池は非常に滑りやすく、ソールがつるつるのランニングシューズを履いていたぼくは、這い上がるのに苦労しました。蟻地獄状態。だけど上の写真みたいに競技者同士で助けある精神にあふれているのがスパルタンレースの素晴らしいところです。
有刺鉄線の下を匍匐前進。でも競技中に横向きになってクルクル回るのが早いことを発見しました。
給水所も何か所かあります。驚いたのは炭酸入りスポーツドリンクが用意されているんですよね。スポンサーの関係だと思いますが、炭酸かよ。走りながらゲップしたわ笑。もちろん水もあります。
鉄球をもって30メートルほど歩くイベント。こういった重量系の障害物は女性用と男性用が用意されています。
この鉄球なんキロあったんだろう。めちゃ重かった。まず持ち上げるのが一苦労。ぼくも上の写真の人みたいにギリギリだった。
石が詰まったバケツを担いで400メートルほど。
ぼくは首の後ろ部分に重りを載せて、両手を後ろに回して重りを持つってスタイルに落ち着きました。それが一番楽だと思う。
砂が詰まった袋を運ぶイベントも発生します。
油断したころに巨大な壁が登場したりね。
ぼくがクリアできなかった障害物がふたつあって、そのひとつがコレ。とりあえず僕がぶら下がってもびくともしない重さだったから確実に70キロ以上はある。
障害物をクリアできなかったら「バーピー」という腕立て伏せからジャンプして立ち上がるやつを30回やるのがルール。バーピーはFREELETICSでしょっちゅう登場するので個人的には馴染み深かったです。
いよいよゴール間近。グランドに帰ってきたらたくさんの障害物が待っています。
上の写真はやり投げ。これが結構ムズくて、4回目にやっとぶっ刺さりました。
ロープ登り。これって足をうまく使えば筋力ほとんど必要なく上がれるんですよ。足をロープに絡めて踏みつけるように登るんです。できる人を観察するといいです。
これも事前にできる人を観察していたからよかった。ひとつ飛ばしでスピード勝負で行けば筋力弱い人もイケます。
これ失敗しました。これも筋力がない人はスピード勝負しかないんだけど、スタートでひとつ飛ばして2つ目の輪っかに飛びついたところで落ちました。腰から落ちて痛かったー。
これ高所恐怖症の人は無理でしょ。ぼくもチビりそうでした。
最後の障害物は炎の丸太ジャンプ。これ定期的に灯油を追加するんで、タイミングによっては火柱あがってますからね。
ゴールしたらメダルとTシャツとドリンクを貰えました。
これがスパルタンレースで完走すると貰えるメダルとTシャツです。
全身どろどろ。すり傷や切り傷は複数。軽い打ち身もしましたよ。
順位はネットで確認できます。ぼくの順位はキリよく100位でした(参加者の合計1316名)。ラッキー賞的なのあればいいのに笑。
シャワー&更衣室です。日本大会のシャワーは冷水だったらしいけど冷たくはなかった。
プロテインシェイクが売られていました。ゴールドスタンダードのプロテインをベースに使ってましたよ。激ウマ。一杯14リンギット(約390円)。500mlのコーラが2リンギットの世界なんでかなり高いけど。
スパルタンレースの感想
楽しかったー!!体験したことないアクティビティばかりで刺激が強めの大会っすね。
ぼくは一番ゆるい「Sprint」というカテゴリーに参加したんだけど、正直ひとつ上の「Super」でよかったかなぁと思いました。スパルタンレースのウェブサイトには「はじめはSprintにしとけ」って書いてあるけど、普段からある程度運動している人はSuperからで大丈夫じゃないかと想像します。
Sprintは参加者1316人いて1294人が完走しています。この極めて高い完走率からしても、実はイージーって言えると思います。無理な障害物はバービーで次に進めるんですから。
あとね、海外のスポーツイベントに参加するってのも初体験で、これもよかった。ぼくは海外旅行も好きだから、旅行ついでにスポーツ大会に参加するってのもアリだなぁと思った次第です。
スパルタンレースは障害物レースなわけだけど、まず大会にエントリーすることから障害物レースがはじまっていますからね。
「どーやって大会にエントリーすんだ?」「会場はどこなんだ?」「航空券はいくらすんだ?」「マレーシアの電車チケットどうやって買うんだ?」「おいおい日本大会と持ち物が違うんだけど大丈夫か?」
こんなのが楽しかった。ほんと海外のスポーツ大会はアリっすね。これは収穫。
スパルタンレースに参加する方法
スパルタンレースに参加したい人は下記URLから申し込みましょう。最新の日本大会が表示されていてエントリーできます。
海外の大会を探すなら下記URLを開いて地域指定をJAPANからALL COUNTRIESに切り替えればOKです。
→http://www.spartanrace.jp/ja/race/find-race
ちなみに、日本から一番遠そうなのは10月20日のチリ大会。会場周辺をGoogleMapで調べてたらかなりヤバめなんですけどどうっすか?笑
たとえば2018年12月15日に開催される仙台大会のSPRINTの参加費は1万4千円です。今回ぼくが参加したマレーシア大会のSPRINTの参加費は152.21リンギット(約4,150円)です。
東京-クアラルンプール間の往復航空券は3万円以下で買えるケースもあります。そんでマレーシアは格安ホテルならシングルルーム1泊1200円で泊まれます。
東京から仙台まで新幹線で往復2万円ちょっとして、格安ホテルも3000円以上はするわけで。。。下手すりゃ海外大会にいったほうが安くなります。じゃなくても海外旅行好きな人はお得感ありますよね。
スパルタンレースの事前トレーニングについて
スパルタンレースで事前にどんなトレーニングをすべきかって話ですが、大会パートナーのReebokが公式練習会を実施しているようです。
→https://fitness.reebok.jp/spartanrace/
ただね、トレイルランニングをすんのが一番効果的だと思います。
これは間違いないんじゃないですかね。なんだかんだ言って大半を占めるのは未舗装のデコボコ道を走るってことですからね。トレイルランニングに慣れていると有利です(ぼくはトレイルランニング練習、一度もしませんでしたけど笑)。
Reebokの公式練習会はどうも障害物体験がメインです。障害物を一度体験しておいてコツを知っておくのは有益ですが、タイムを意識して参加しているのならトレイルランニングですね、絶対。障害物は大会前日とか当日にも現地で練習できますし。
じゃあぼくがスパルタンレースに向けて何かトレーニングをしたかといえば、ブルガリアンスクワットを筋トレに取り入れたくらいっすね。
上の画像がブルガリアンスクワットなんですが、これは「足が攣る」って事前に聞いてたから、下半身を強化しようと思って取り入れました。でもまぁ大してやってないですよ。そもそも申し込んでから大会まで1カ月半しかなかったです。
ちなみに普段からゆるーく筋トレ、プール、ランニング、自転車はやっています。
筋肉の攣りの原因は、ほとんどの場合は水分の欠如(脱水)とそれに伴う電解質(カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分)のバランスが崩れることだとされています。
だからスポーツドリンクを飲むと良いんだけど、一般的なスポーツドリンクは成分薄すぎるんですよね。アリバイ程度にしか配合されていません。かといってガブガブ飲めないので、サプリメントを飲むのがいいです。
上はぼくがスパルタンレース前に飲んでいたサプリメント。
マイプロテインで買った電解質サプリの「エレクトロライトプラス」とアミノ酸サプリの「EAAプラス」、Twitterで裸体晒されてプレゼントされたHMBサプリです。
特に電解質サプリとアミノ酸サプリは長時間の運動時に飲んどいたほうがいいっすよ。攣らなくなりました。メーカーはどこでもいいと思います。
スパルタンレースの服装やシューズは?
これから初参加する人は、どんな服装で競技するのか気になると思うのでまとめてみました。
スパルタンレースの服装
ぼくがあーだこーだ言うより、スパルタンレースの公式サイトに掲載されている競技写真を見るのが早いと思います。
服装についてのポイントを挙げると
- 服装に特にルールはない
- ランニング時と同じでOK
- 上半身裸の男性は珍しくない
- スパルタンカラーである黒の服装が多い
- トレイルランニング専用バックを着用する人もいる
- 血を流したくない人はコンプレッションウェア着用しよう
ちなみにぼくは大会後に捨てることを前提とした服装にしました。外国だから洗濯すんのもややこしいし。使い古したTシャツ、ランニングシューズ、パンツ、靴下は会場のゴミ箱に捨ててきました。
スパルタンレースのシューズ
スパルタンレースのシューズですが、凹凸がしっかりしたトレイルランニング用のシューズがベストです。
ぼくはというと、、、凹凸ゼロのシューズを履いて参加しました。
とっくに捨てたと思ってたランニングシューズを大会前に発見してしまったんですよね。ぼくは海外旅行も兼ねているので、荷物は最小限がいい。「よし、これなら捨ててもOKだ!」ってことで決めました。
でもやっぱ泥の池を這い上がるときやジャングルの下り坂とか大変でした。トレイルランニングシューズをおすすめします。
まとめ
変態アスリートの大会かと思ってたんだけどそーでもなかったです。
普段まったく運動してなさそうなパーティーピープル層も結構いました。お年寄りや巨漢の人もいたし、体力面で躊躇している人には「あんま気にする必要ないっすよー」と言いたい。
泥水に入るとか、高いところを登るとか、匍匐前進でちょっと血を流すとか、そーいうのに拒否反応を受けない人は今すぐエントリーで。非日常、楽しいっすよ。
ぼくはというと、もともと運動と海外は好きだったんだけど「運動×海外」という新たな世界を知ってしまいました。人生が狂うかもしれません笑。
マレーシア人男性と日本人女性のご夫婦とは会場でお話しできました(奥さんは応援のみ)。神奈川県に住んでいるんだけど、帰省のタイミングでスパルタンに初参加したんだとか。
それでは今回も長文お付き合いありがとうございました。ではではー。
楽しく読ませていただきました。100位とはすごいですね。運動能力の高さを感じました。「運動×海外」、私も考えていたところです。来年からは海外のトライアスロンレースに参加しようと思っています。今年も珠洲に挑戦します。
マックさん、コメントありがとうございます!
おー、海外のトライアスロンレースですか!トライアスロンだと自転車が必要なのでスタート地点に立つまでのハードルが高いですよね。すごいなー。また珠洲でお話聞かせてください。