もくじ
まず結論:これがおすすめミニトマト
家庭菜園でミニトマトを育てる人は、「たくさん収穫したい!」「甘いミニトマトがいい!」の2点を重視していると思うんですよね。苗の宣伝文句がだいたいコレでした。
なので結論を発表してしまいます。
大量収穫できるミニトマトを探しているなら:千果、すずなりミニトマト、アイコ
以下でもう少し詳しく説明しますね。
4年前からレンタル農地で家庭菜園してます
ぼくは家庭菜園が趣味なんです。ベランダ菜園、プランター菜園からはじめたんですが、駐車場スペースほどのレンタル農地を借りるようになって4年になります。
今では自分で肥料を作って土づくりしたり、トンネルをつくったり、マルチシートを使ったり、自家採種したり、固定種を育ててみたりと試行錯誤しながら楽しんでいます。
これまで作ったことがあるのは、、、
ミニトマト、じゃがいも、アスパラガス、なす、大葉、スナップエンドウ、いんげん、イチゴ、枝豆、とうもろこし、小ねぎ、ほうれんそう、ちんげんさい、小松菜、大根、かぶ、ピーマン、きゃべつ、白菜、にんじん、ブロッコリー、ラディッシュ、ゴーヤ、きゅうり、すいか、のらぼう菜。
この中でも特にお気に入りがミニトマトです。ミニトマト素晴らしいのは以下の三拍子が揃っていること。
- かんたんに育てられる
- たくさん収穫できる
- 消費しやすい
特に3つ目。ぼくみたいなレンタル農園を借りるくらいに手を広げちゃっている人は「大量に収穫できちゃって食べきれない!」ってことはよくあるんです。
でもミニトマトは大丈夫。そのままパクっと食べられるし、トマト煮込みやカレーやスクランブルエッグなど大量消費料理もたくさんあるので、安心して大量生産できます。
で、2018年はミニトマトを11品種、合計17株を育てました。
いろんな種類を育てて食べ比べとかするのが家庭菜園の醍醐味なわけですが、せっかくいろいろ育てたので個人的な感想や格付けをシェアします。
ミニトマトは種類によって味も収穫量もだいぶ違うので、種や苗選びの参考にしてください。
ミニトマト、11種類を批評する
ではではミニトマトを品種ごとにレビューします。
千果(ちか)
- ぼくの評価:★★★★★(5つ星/満点)
- 育てた数:4株(畑で3、プランターで1)。種から育てました。
- 種子会社:タキイ種苗
- カタログ糖度:8~10度
- 味:酸味は少なく水分豊富なミニトマト。比較的甘いかもとは思うけど「普通」な部類。味に特別感はない。王道。
- 実のサイズ:大きめ
- 収穫量:とても多く収穫できた
- 裂果:少しする
- 総評:千果(ちか)は「糖度が高く、品質最高のミニトマト」というウリ文句のミニトマト。種子会社によると「糖度は8~10度」とのこと。ミニトマト業界に「糖度のインフレ」が起こっているからか、特段甘い部類には感じませんでした。実際にできた実もそこまで糖度は高くないはず。いわゆるスーパーで普通に売っているミニトマトの範疇です。味は普通だけど「成長が早く、実がなるのが早く、たくさん収穫できて、裂果はそれほど多くない」という優等生。それに変に甘すぎるトマトだと料理とかしづらいから、味が普通ってのは必ずしもマイナス点ではありません。特にこだわりがないなら千果を育てることを強くオススメしますね。いい意味で無難。当たり障りがない。マイナス点がない。初心者向け。万人向け。ぼくも来年も千果を育てます。
すずなりミニトマト
- ぼくの評価:★★★★☆(4つ星)
- 育てた数:4株(畑で3、プランターで1)。種から育てました。
- 種子会社:サカタのタネ
- カタログ糖度:不明
- 味:味はちょっと甘い感じですが「普通」の範疇だと思います。普通においしいミニトマト。
- 実のサイズ:小さい
- 収穫量:多く収穫できた
- 裂果:少しする
- 総評:「すずなりミニトマト」は「千果」と同時期に種から育てたのでどうしても千果と比較してしまうのですが、結論としてはマズマズでしたね。千果と比べたら味は少し濃いものの「普通」の部類。実の大きさは好みが分かれるところですが、ぼくは小さいよりかは大きいほうがいい。そして収穫量でも千果が勝るとなると千果に軍配を上げざるを得ません。まぁ千果が優秀すぎるんですけどね。
純あま
- ぼくの評価:★★★★☆(4つ星)
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:サントリーフラワーズ
- カタログ糖度:8~11度
- 味:濃く甘い。高糖度ミニトマトを期待する人を裏切らない、とてもおいしいミニトマト。
- 実のサイズ:やや小さいプラム型
- 収穫量:まずまず
- 裂果:あまりしない
- 総評:「純あま」は去年も育てていまして、「甘くておいしいミニトマト」というイメージを持っていたんですが、期待通りでした。糖度が高く味が濃いです。とても美味しい。悪い点を言うと、シュガープラムの下位互換かなと。
シュガープラム
- ぼくの評価:★★★★★(5つ星)
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:パルディン
- カタログ糖度:10~12度
- 味:「フルーツのような甘さの高糖度トマト」というのがメーカーの宣伝文句なんですが、嘘はありませんでした。とても甘い。マジで甘い。これはフルーツトマトと言っても詐欺になりません。本当においしい。
- 実のサイズ:ふつう。ハート形。
- 収穫量:まずまず
- 裂果:ほどんどしない
- 総評:シュガープラムはとにかく美味しい。濃くて甘い。今年は高糖度ミニトマトを中心に育てたんですが、もっとも甘いのがシュガープラムでした。糖度の高いミニトマトを育てたい人にはシュガープラムを強くオススメします。唯一のマイナス点を挙げると、虫食いが多いってこと。虫も美味しいトマトがわかるんですかね。いろんな種類のミニトマトを同じ場所で育てているのに明らかにシュガープラムは虫食いが多かったです。全体の1割は虫食い被害に遭いました。
アイコ
- ぼくの評価:★★★★☆(4つ星)
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:サカタのタネ
- カタログ糖度:不明
- 味:やや甘みがあるものの、味は「普通」の範疇。加熱料理にも使いやすい。
- 実のサイズ:大きいプラム型
- 収穫量:とても良い
- 裂果:あまりしない
- 総評:アイコはホームセンターには必ず置いてある非常に人気の高い品種です。ミニトマトブームの先駆者的存在だと思いますが、個人的にはやや時代遅れな品種かなぁと思っています。実際「とってもアイコ」などの後継品種も登場していますしね。アイコは普通においしいし、たくさん収穫できるので今なお優良な品種ですが、人気と実力が合っていないと思います。要するに「アイコ作るなら今回ぼくが5つ星をつけたミニトマトを作ったほうがいいですよ」と言いたい(笑)。
プレミアムルビー
- ぼくの評価:★★★☆☆(3つ星)
- 育てた数:1株(畑で1)。種から育てたんですが、赤ちゃん苗を落としてしまうミスをして、畑に植えられたのは1株のみでした。
- 種子会社:アタリヤ農園
- カタログ糖度:不明だが、種のパッケージには「極甘ミニトマト」「甘さ抜群」とある。
- 味:味は濃い。甘みもある。間違いなく美味しい部類のミニトマト。高糖度トマトを期待して育てたとしてもまぁ許せるレベルです。
- 実のサイズ:やや小さい
- 収穫量:少なめ
- 裂果:あまりしない
- 総評:プレミアムルビーは「極甘ミニトマト」というウリ文句であるものの、ぼくが育てた限りでは極甘ではありませんでした。たしかに甘いく味が濃く、とてもおいしいミニトマトです。しかし同系統のシュガープラムが上回っています。またしてもシュガープラムの下位互換って感じです。また収穫量も少し物足りませんでした。
つやぷるん(プチぷよ)
- ぼくの評価:★★★★☆(4つ星)
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:パナプラス
- カタログ糖度:不明
- 味:「極甘、極うす皮、極つや」というウリ文句でしたが、嘘じゃないっすね。けっこう甘いし、極うす皮には驚きます。つやもあって、サクランボみたい。
- 実のサイズ:やや小さい
- 収穫量:やや少ない
- 裂果:あまりしない
- 総評:味は良いし、見た目や食感のインパクトもあるので個人的にはかなり好きなミニトマトです。来年も育てます。ひとつ難点を挙げると、収穫量がイマイチな点。もし大量収穫できたら満点なんですけどね。ちょっと面白いミニトマトを育ててみたい人にはおすすめです。ちなみに「つやぷるん」と「プチぷよ」は同じ品種らしいです。
天使のほっぺ
- ぼくの評価:★★☆☆☆(2つ星)
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:不明(カインズ?)
- カタログ糖度:9~10度
- 味:『フルーツ感覚で食べられる薄皮極甘ミニトマト』というウリ文句でしたが、ぜんぜん甘くはありませんでした。薄皮というのは本当です。大袈裟に言えばサクランボみたいな食感。
- 実のサイズ:ふつう
- 収穫量:まずまず
- 裂果:少しする
- 総評:天使のほっぺはホームセンター「カインズホーム」で苗で買って育てました。見た目や薄皮という特徴から実は「つやぷるん」と同じ品種なのかなぁとも思ったんですが、味が全然違います。「つやぷるん」はハッキリと甘いけど、天使のほっぺは全然甘くありません。普通においしいですが、甘さを期待したらがっかりするでしょう。また天使のほっぺの悪い点として「表面にキズが現れやすい」んです。ぼくは農家じゃないので全然OKですが、スーパーに出せそうなキレイな実は1割にも満たないです。
シュガーオレンジ
- ぼくの評価:★★☆☆☆(2つ星)
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:不明(カインズ?)
- カタログ糖度:10度
- 味:説明が難しいんですが、他のトマトと明らかに風味が違う。
- 実のサイズ:小さい
- 収穫量:かなり少ない(失敗の部類)
- 裂果:少しする
- 総評:シュガーオレンジは育成失敗と言っていいでしょう。本来はもっと収穫できるはずですが、ぼくが育てた株の収穫量はかなり少なかったです。味自体はちょっと変わってて、まぁおいしかったです。ぼくのようにいろんな種類のミニトマトを育てる人は変化球としてシュガーオレンジを加えるのもいいかも。
ピッコラルージュ
- ぼくの評価:論評不可
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:パイオニアエコサイエンス株式会社
- カタログ糖度:9~11度
- 味:論評不可
- 実のサイズ:論評不可
- 収穫量:論評不可
- 裂果:論評不可
- 総評:苗から育てたんですがダメでした。あまりに育ちが悪いので、根っこから引き抜いて処分しようと思ったものの可哀想なのでプランターに移して様子見。その結果何個か実はなりましたが良い悪いを判断することはできないですね。
キャンディドロップ
- ぼくの評価:論評不可
- 育てた数:畑で1株。苗から育てました。
- 種子会社:ハルディン
- カタログ糖度:12~13度
- 味:糖度が高く味もしっかりしている
- 実のサイズ:やや小さい(プラム型)
- 収穫量:論評不可
- 裂果:論評不可
- 総評:キャンディドロップは、ピッコラルージュの苗を抜いた場所に植えたため、時期も環境も悪く、あまり収穫できませんでした。可哀想な育て方をしてしまいましたね。カタログ糖度が12~13度という高糖度ミニトマトなだけあって甘さや味の濃さは感じられました。ただし、あらゆる点でシュガープラムには劣る印象です。
結論:おすすめミニトマトは?
上記ミニトマトを整理してみました。
甘さ | 収穫量 | おすすめ度 | |
千果(ちか) | 3 | 5 | ★★★★★ |
すずなり | 2 | 5 | ★★★★☆ |
純あま | 4 | 3 | ★★★★☆ |
シュガープラム | 5 | 3 | ★★★★★ |
アイコ | 2 | 5 | ★★★★☆ |
プレミアムルビー | 4 | 2 | ★★★☆☆ |
つやぷるん(プチぷよ) | 4 | 3 | ★★★★☆ |
天使のほっぺ | 2 | 3 | ★★☆☆☆ |
シュガーオレンジ | 2 | 2 | ★★☆☆☆ |
ピッコラルージュ | 不明 | 不明 | 不明 |
キャンディドロップ | 4 | 不明 | 不明 |
甘さと収穫量をそれぞれ5段階評価したところ「千果」と「シュガープラム」が合計8ポイントでトップになりました。
収穫量なら「千果」、甘さなら「シュガープラム」
うん、やっぱ「千果」と「シュガープラム」はオススメですね。あえて、もうひとつ加えるとしたら「つやぷるん」です。
千果は王道のミニトマトです。味はスーパーに売っている普通で加熱調理にも相性がいいです。そして抜群の収穫量が高評価の理由です。とても育てやすく、家庭菜園初心者には千果はピッタリでしょうね。
シュガープラムは味がすばらしかった。濃くて甘いんです。高糖度をウリにしているミニトマトを中心に育てたんですけど、特にシュガープラムが甘かったですね。大袈裟に言えばフルーツ。ちょっとビックリしました。
つやぷるんも高糖度ミニトマトです。糖度だけではシュガープラムに若干劣りますが、その名の通り極薄皮が特徴です。大袈裟に言えばサクランボみたいな食感。明らかに普通じゃないミニトマトなので、知り合いにプレゼントすると喜ばれます。
おすすめ書籍
番外編としておすすめの書籍も紹介します。
ぼくは実験が好きなので、はじめの頃は勝手気ままに自己流で育てていました。
ただ、やっぱそれでは収穫量も悪かったりして、今では同じレンタル農園のベテランさんや書籍を参考にしながら楽しんでいます。
本はいろいろ読んだけど『加藤義松のプロ直伝!!野菜づくり 』がおすすめです。ミニトマトはもちろん、メジャーどころの野菜の育て方を写真多めで小学生でもわかるくらいわかりやすく教えてくれます。
土づくり、畝づくり、マルチシートのはりかた、苗の植えつけ方法、わき芽の取り方、肥料や追肥のタイミングなど・・・ミニトマトの育て方もこれ一冊でOK。
おいしく、たくさんミニトマトを育てたい人は品種選びだけではなく、正しい育成方法を学んでおきましょう。
まとめ
今回は家庭菜園の女王様、ミニトマトについてまとめてみました。
家庭菜園初心者さんには小松菜やホウレン草みたいな葉物野菜をおすすめしていますが(短期間で確実に収穫できる)、次のステップとしてミニトマトは最適な野菜だと思います。
近年ではベランダ菜園、プランター菜園向けの背丈の低いミニトマトの苗とかも売ってて、かなり育てやすくなっています。
苗から育てれば2か月ほどで収穫できるので、ぜひ来年の5月から7月ごろにチャレンジしてみてください。
人気だからこそ種も苗もたくさん種類があって、どのミニトマトを育てたらいいか迷いますよね。ぼくは迷った挙句、2018年の夏に11種類ものミニトマトを育てました。
この記事では、育てたミニトマトの個人的な感想&格付けを公開します。品種選びの参考になれば嬉しいです。