ヨウくん(仮名)とバッタリ遭遇。ドライブへ。
先日、小学校時代の友人とバッタリ遭遇しました。仮に「ヨウくん」にしよう。ヨウくんとは小学校時代はよく遊んでたけど中学以降はパタリと遊ばなくなり、中学卒業後は共通の友人を介して数回顔を合わせたことがあるくらいの仲です。
最後に会ったのは約3年前。近況報告する中でヨウくんが良い車を買ったというので「じゃあ今度ドライブに行こうよ」と会話したもののそれっきりだった。そのことを思い出したので、
「そういや前回会った時にドライブ行こうよって話したけど行かなかったよね。たぶん今回も同じになっちゃいそうだからこの場で行く日を決めちゃおうよ。来週の日曜日とかどう?」
と予定を組んじゃって、先日ドライブに行ってきました。行先は秩父。東村山から1時間半とかなのでドライブにはちょうど良いかなって思って僕が決めました。
『かれこれ20年は婆ちゃんと会ってない』
ヨウくんと2人っきりで会話するのは超久々。だから果たしてどんな感じの会話になるのか事前にまったく想像がつかなかった。でもまぁ普通に「仕事はどうよ?休日は何してる?」みたいな話から始まり、他愛もないバカ話をしてました。
で、話の流れでヨウくんが『かれこれ20年は婆ちゃんと会っていない』と言ったんです。そっからの話です。
ぼく「え?なんで?」
ヨウくん『いや、別に理由は無いんだけどね』
「うーん。婆ちゃんどこに住んでんの?」
『滋賀県。爺ちゃんは死んじゃったから婆ちゃん1人で住んでる』
「えっ、それはヨウくんだけ?家族も会ってないの?」
『家族もだね』
「それは喧嘩でもしちゃってるわけ?」
『いや、そんなことは無いよー。かあちゃんはたまに電話しているみたいだし』
「ふーん。家族は誰も会いに行こうとか言わないの?(※ヨウくんは両親と4人の兄弟の6人家族)」
『うん』
「だって喧嘩とかしてないわけでしょ?」
『してないよ』
「じゃあ20年も会いに行ってないというのが不思議なんだけど。なんか理由はあるの?」
『かあちゃんは金がないとか言ってた』
「いやいや、滋賀県ならたいしてお金もかからないでしょ(笑)。頑張れば日帰りできるし、車で行けば往復で5万もしないと思うけどなぁ。。。そっか。。。でも会いに行ったほうがいいんじゃない?」
『まぁーねぇー』
「いや俺は会いに行ったほうがいいと思うけどなー。婆ちゃんも喜ぶよきっと」
『そーねぇー』
「うん・・・。20年前だったらヨウくんが子どもの頃じゃん。今婆ちゃんと会ったら大きくなったなって喜んでくれるんじゃない?」
『そーかもねー。爺ちゃんの葬式以来だもんなー』
「おいおい、それってこのままだと婆ちゃんと今度会うのは棺桶の中かもしれないじゃん!」
『ふふふ(笑)』
「マジで絶対に行ったほうがいいって。早めに行きな。後悔することになるよ」
『そーねぇー』
「うん・・・」
家族関係にも色々あるのは承知してる。承知してんだけど、僕はヨウくんの話を聞いてえらくショックを受けちゃったんです。「お婆ちゃんは寂しがっていないか?」とか「家族6人もうみんな成人していて誰も行こうと言いださないの?」とか「大人が6人いて金って何だよ!」とか、快走するヨウくんの高級車の助手席で景色を眺めながらモヤモヤ考えていたらひどく落ち込んじゃったんです。
数分、沈黙しちゃいました。で、あまり楽しい話題じゃないので迷ったんだけど、僕から同じ話題を切り出しました。
「いやー、ごめん、さっきの話ちょっと引いとります(笑)。ちょっと落ち込んじゃったもん俺」
『マジで?(笑)』
「うん、ちょっとねー。このままじゃテンション低いままになっちゃいそうだから、もうチョットさっきの話いい?」
『うん、別にいいけどさー。でも新宿の方の爺ちゃん婆ちゃんちには行ってんだよ?』
「あ?どういうこと?」
『もう片方の爺ちゃん婆ちゃんちは新宿にあるから行ってる』
「いやいやいやいや、それは逆でしょ!俺は片方に行ったら片方の墓参りもするよ?片方だけ行くと何か引け目を感じるじゃん。モヤモヤするから絶対に両方行く」
『そーお?(笑)』
「いやー、すげぇーな。。。え?もう一度確認したいんだけど婆ちゃんと喧嘩したとか無いわけだよね?』
『うん、ないよ』
「嫌いだってこともないんだよね?」
『うん、別に』
「あーそう。それが不思議なんだよなぁ・・・。じゃあさ、行った方がいいなとは思う?」
『まぁ行った方がいいとは思うけどね』
「うん・・・。え、結局どうなの?近いうちに婆ちゃんち行く?」
『うーん、でも会える状態でもないんだよね』
「どーいうこと?病気とか?」
『そう』
「いやいやいや、それこそ今すぐにでも行ったほうがいいじゃん!早く行かなきゃ」
『いやでもすぐに死ぬとかじゃないよ?』
「それは知らねぇーけどさ。俺はなぜ行かないのか理解できない。婆ちゃんとの関係は悪くないわけでしょ?」
『うん』
「それが不思議なんだよね。なんで20年も会ってなくて誰も行かないんだろ。あの、ゴメンね何か。家族のことは他人にはわからないし、楽しい話題でもないからこの話はもう終わりにするけどさ、行ってほしいなぁと思って」
『いや、他人が聞いたらウチの家族が変だって皆言うと思う』
「うーーん」
『今度、家族にスケジュールを聞いてみるよ』
「あー、でもみんな大人だしなかなかスケジュールは合わないと思うんだよね。だからヨウくんが行ける日にちを決めちゃって、俺は1人でも行くけど予定が合う人は一緒に来ない?って感じの方が良いと思うよ。で、滋賀県だったら最悪日帰りでも行けるよね」
『まーね』
「婆ちゃんには顔を見せるだけでも十分だと思うし、ゴメンね今回は仕事で時間がないんだけど今度は家族と一緒に来るねって言えばいいじゃん」
『あー、なるほど。そうかぁ。考えとく』
「ふふふ、断言はしないのかい(笑)」
『それはね(笑)』
「はは、わかったよ(笑)じゃー、この話題は終わりね」
こんな感じでこの話題は終わり。その後は普通に秩父ドライブを楽しみました。
ヨウくんとはわかりあえない。でも・・・
もし後日会いに行ったと報告を受けたら感動しちゃうけど、たぶんヨウくんは婆ちゃんに会いに行かない。絶対に行かない。マジで棺桶の中にいる婆ちゃんと再開することになる。それはホント残念。心底残念だけど他人の家族のことだし「もう関係ないかなぁー」と。
あの、どちらが正しいとかそんなんじゃないんです。世の中には考え方が違う人がいて、その人たちと無理にわかりあう必要はないなーって思った次第。うん、久々にこれ思った。だから今回のヨウくんの件は、グッドラック!幸運を祈るよ!って感じです。
ただね、今回のエピソードは全く否定的な話じゃなくて、僕はわかりあえない人と付き合うのがすごく好きなんです。だって面白いもん。興味をそそられる。カルチャーショック大好き。変な人と出会った時は人生はすばらしいって思うもん(ヨウくん変人扱いしてゴメン笑)。
自分を全肯定するのは危険だと思ってるし、想定外の思考を持った人と話すと世界が広がりますしね。だから街で見かけた変な人によく話しかけるし、宗教の勧誘とか胡散臭いビジネスの勧誘とか面白がって聞きます(僕は無宗教だし変なビジネスしてないけどね!まだね)。
あー、こういった話を友達にすると最終的には「お前自身が変な奴じゃん?」ってオチになるんですよね。それたぶん正解です。はい、以上。そんなこんなで、旧友と再会して人生は楽しいなと思った話でした。ご清聴ありがとうございましたー!
いつも楽しく読ませてもらってる隣の市の民です
今回の話はタカタロウさんにかなり引いちゃいました
タカタロウさんが「こいつ主体性ねえなー」って思ってることは
態度や話し方からヨウさんはヒシヒシと感じてたと思います
まだまだ修行が足りないですね!ありがとうございます!